産学官連携

主権者教育としての児童と学生による模擬選挙の協働授業(官学連携事業)

参加学生と選挙ポスター

基本情報

参加学生・教員(学内):法学部・社会学教育学ゼミ(西谷ゼミ)、2〜3年生(約20名)、担当教員:西谷尚徳、ゼミの授業の一環として(主権者教育および専門学修への移行としての位置づけ)

メンバー(企業、自治体名、学外関係者):品川区立小学校の「模擬選挙」授業への協働実施(参画)、関係団体:品川区立小学校、品川区明るい選挙推進協議会、品川区選挙管理委員会

活動期間:平成29年~

活動地域(市区町村単位):東京都品川区

関連するSDGs

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目的
社会を生き抜く力や地域の課題解決を主体的に考える

児童および学生への選挙啓発にとどまらず、有権者になったばかりの18〜19歳の学生への主権者教育として、政治の仕組みについて必要な知識を習得させつつ、主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら社会を生き抜く力や地域の課題解決を主体的に考えられるようになることを目的としている。

内容
学生によるマニフェスト作成・提供と出前模擬選挙の実施

執筆者が担当する法学部の2年次開講科目「ゼミナールⅠ(2年生)」では、秋・冬期(9〜3月)に、2年次の法学・政治系の専門学修への接続および主権者教育の一環として、品川区立小学校と協働で出前模擬選挙を実践している。品川区小学校は、授業「市民科」として位置づける。
同区選挙管理委員会(選管)、同区明るい選挙推進協議会(明推協)の協力のもと、連携して出前模擬選挙の授業の一連の過程を分担して執り行う。
学生の担当は、マニフェストづくりと立候補者の役割である。品川区の小学校に出向き、児童と政策討論を行った上で、当該小学校や地域に見合ったマニフェストづくりを行う。また、模擬選挙直前や当日に立候補者として、最終答弁や政策アピールをするなど演説を行う。児童は、学生のマニフェストや答弁を参考に投票する。

成果
「文部科学大臣賞」を受賞

本取組は、第13回キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰式において、学校、家庭、地域、産業界が一体となってキャリア教育の意義の普及・啓発と推進に資するとして、功績が認められ「文部科学大臣賞」を受賞した(令和2年1月15日)。
事例研究論文としては以下に収録される。西谷尚徳(2019)「小学校における主権者教育の開発と実践-「品川コミュニティ・スクール」の協働型模擬選挙-」『青少年教育研究センター紀要』第7号,52-61,国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター.
品川区立小学校および明るい選挙推進協議会から、令和4年度以降の継続実施並びに事業拡大(実施校の増加)を要請され、シティズンシップ教育の先進的事例として一定の評価を得ている。
実施した小学校では、模擬選挙に関するアンケート結果で、すべての項目において品川区の平均値を超える結果となった。
18歳選挙権の実施に伴い、若者の政治参加意識の高揚が期待されるなか、学生が実際に政治的な判断や意思決定、演説を行う機会に参画できたことで政治的リテラシーを醸成することができている。
法学・政治系の専門学修との接続という観点から、2年次以降で履修する「行政学」「政治学原論」「政治制度論」といった科目での学修に結びつけることができている。
大学生も現実的に参加・協力することによって、主権者教育の意義があった。学生が小学生と共に主権者教育を体験することは、学生自身の役割を実感しつつ社会貢献を実践した意義も大きい。

  • 学生が作成したマニフェスト

    学生が作成したマニフェスト

  • 立候補者として演説する学生

    立候補者として演説する学生

  • 学生立候補者の選挙ポスター

    学生立候補者の選挙ポスター

キーワード

#主権者教育、#模擬選挙、#児童と学生の協働、#産学連携

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