研究シーズResearch Profiles
生態系に外来植物はどのように侵入・定着するか
―侵入リスクを評価する―

プロフィール
地球環境科学部 環境システム学科 教授 村中 孝司 Takashi Muranaka
経歴:1997年3月筑波大学生物学類卒業、2002年3月東京大学大学院博士課程農学生命科学研究科修了。2025年4月より現職。
主な研究テーマ:河川水辺の植生や外来植物の侵入影響などの保全生態学的研究に加え、自然環境の魅力定量化に関する研究なども行ってきました。
趣味:花の美しい山々を歩くこと、花や風景の写真撮影。
- 目的・内容
- 外来植物の新たな侵入・定着拠点の特性を解き明かします
1990年代以降、河川水辺では外来植物が侵入し、河川水辺固有な植生が急速に失われてきました。いまでは河原本来の姿を見ることは難しくなっています。山岳地域は外来植物の侵入を免れ、本来の姿を保っているようにみえます。しかし、ヒメジョオンなどの外来植物の侵入が進行している場所もあります。
山岳地域を対象に、外来植物の侵入と定着を予防し、適切な外来種管理のあり方を見出す研究を行っています。
- 展望・成果
- 外来植物の分布拡大を抑止するための方策を見出します
山岳地域における外来植物の侵入について、人為的圧力と外来植物の特性を解き明かし、適切な管理手法を提案することを目指しています。緑化緑物や外来牧草の侵略性の高さなど、特定の性質をもつ外来植物が分布を拡大してきました。
山岳地域へ定着を成功させる種はどのような共通性をもつでしょうか。また、どのような人間の行動が種子供給源を用意し、どのような行動変容が新たな侵入を抑制するでしょうか。人工物の建設による土砂の移動、登山客の利用頻度などが関係していると考えています。
- 研究が生み出した成果・効果による社会への応用や実装の可能性など
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生態系の本来の姿を保ち、生態系サービスを持続的に得ることができる仕組みづくりに役立ちます。
- キーワード
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#保全生態学、#植物生態学、#生態学、#外来植物、#絶滅危惧植物、#山岳、#河川、#水辺