研究支援

AIによるLiDAR点群データを用いた森林管理データ分析に関する研究

立正大学 3号館前の赤松林(出典:立正大学 後藤真太郎)

基本情報

参加学生・教員(学内):地球環境科学部・青木 和昭、地球環境科学部学生

メンバー(企業、自治体名、学外関係者):熊谷市、小川町、ここから武蔵コンソーシアム

活動期間:令和元年度

活動地域(市区町村単位):東松山市、鳩山町

関連するSDGs

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目的
学術的背景

日本では国土において、森林面積が占める割合が約67%と非常に高く、その維持管理は重要な課題である。森林がその機能を十分に発揮するためには、継続的なモニタリングによる現況把握と、適切な管理が必要である。しかし、大規模な森林では、現地調査による継続的なモニタリングや管理は、労働力、コスト等の面から課題が多い。特に、林業界では、数十年前から地方の過疎化と高齢化による人手不足が続いており、衛星画像や航空機写真など、リモートセンシング技術を用いた管理コストの低減化が求められている。
近年ではリモートセンシング技術の発達により、LiDAR(Light Detection and Ranging)などのレーザーを用いた森林の詳細な測量が可能となっている。LiDARによる測量は、これまでの衛星画像や航空機の空中写真によるオルソ画像などの2次元画像とは異なり、3次元構造を取得可能である。そのため、森林の地形や植生といった森林構造の詳細データを取得可能であると考えられる。特に、毎木調査においては、多くの人手とコストを掛けて取得していた樹高や胸高直径(DBH)、材積、樹冠部や枝葉の形状の測定・推定が可能となる。このように、森林管理にLiDARを導入することで、森林全体から樹木1本まで様々なスケールでの構造把握が可能となることが期待される。

内容
学術的「問い」

(a) LiDARによる点群データを用いた森林管理手法の確立、特に地上型LiDARによる点群データを用いた森林管理基礎データの取得
(b) 点群テータに対して画像認識による樹木の識別、および樹高、胸高直径(DBH)、材積等の樹木データの分析

■本研究(事業)期間内に何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか
本研究では、森林管理のために、LiDARによる点群データを用いた毎木調査手法の開発を目的とする。研究の流れとしては、以下の要領で行う。
1. LiDAR(Velodyne-HDL-32e)による観測
2. SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)を用いて観測データを点群画像に変換
3. 点群画像に対する画像認識により、毎木抽出、および森林管理用基礎データ(樹高、DBH、材積)の推定を実施

これらのうち、手順1.および手順2.に関しては、これまでの研究により実施が可能となっているため、本研究では手順3.に焦点を当てることとする。図1は、立正大学熊谷キャンパス3号館周辺をLiDARにより測定し、得られた点群データをSLAM処理することで作成された3次元画像である。画像右下周辺が赤松林である。本研究では、図1のような画像から樹木を抽出し、各種データを計測する手法の開発を目的とする。方法としては、SLAM処理によって得られた3次元画像画像を2次元画像に変換し、既存の画像処理手法の適用によって樹木の抽出を行う手法を検討している。樹木の自動抽出が可能になれば、樹木の頂点と根本、幹の部分を抽出し、樹高とDBHが測定可能となると考えている。

  • (出典:立正大学 後藤真太郎)

    出典:立正大学 後藤真太郎

キーワード

#TJUP支援費2種、#AI、#深層学習、#リモートセンシング、#LiDAR、#点群、#SDGs、#森林管理、#環境

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